土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(木材工学)論文
木製緊急架設橋の屋内及び屋外架設実験
加藤 真吾平沢 秀之菊池 幸恵戸沼 淳
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 79 巻 28 号 論文ID: 22-28005

詳細
抄録

 災害復旧用木製トラス橋を製作し,屋内及び屋外での架設実験を行った.この木製トラス橋には,北海道の道南地域で生産される「道南スギ」をトラス部材として使用している.支間長は9.90m,幅員は1.11mとする実物大の歩道橋として設計・製作したものである.トラス構造は,上弦材・下弦材・垂直材・斜材から成る格間長1.65mの1トラスパネルを6パネル連結して完成する.架設実験は,①トラスパネルを現地で連結し,橋梁本体を完成させる架設実験,②トラスパネルをあらかじめ蝶番で連結して折り畳んでおき,現地で,折り畳まれた橋を展開して完成させる架設実験,の2通りの方法を実施した.架設実験では,両方法とも電動工具などを使用せずスパナによる手作業で組み立てを行った.ただし,②の方法では,河川上に架設することを想定して,手作業の後にクレーンによる一括架設も行っている.実験の結果,両方法とも人力による作業性は特に問題はなく,架設時間は①の方法で3時間35分,②の方法で2時間30分となり,短時間で架設可能であることが判明した.

著者関連情報
© 2023 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top