2023 年 78 巻 5 号 p. I_939-I_949
本研究は,交通事故リスク情報を提供することによる交通事故リスクに関する認知・理解の変化や低事故リスク経路を利用する行動変容を把握することを目的とする.このために,交通事故リスク情報を活用したコミュニケーション実験を複数回実施し,コミュニケーションが交通事故リスクの認知・理解に与える変化や低事故リスク経路選択行動に与える影響を分析した.分析の結果,コミュニケーションによって「一般道路と高速道路の交通事故リスクの関係」を正しく知覚する被験者が増加し,低事故リスク経路を利用しようと思う被験者が増加することがわかった.また,事故リスク情報提供に伴う経路選択モデル分析の結果,交通事故リスク情報を活用したコミュニケーションが経路選択に影響を与えることを明らかにした.