土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第33巻(特集)
暴風雪時の住民の意識と行動の変容に関する実証的研究
川崎 雅和萩原 亨高橋 清金田 安弘松岡 直基菅藤 学
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2016 年 72 巻 5 号 p. I_139-I_147

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抄録

北海道は冬期に暴風雪が発生する厳しい気象条件下にある.2013年3月に発達した低気圧により中標津町(北海道東部)において暴風雪となり複数名の方が亡くなった.翌年の2014年2月に類似した規模の低気圧でも暴風雪となったが,被害はほぼなかった.両年において暴風雪から道路を守る施設はほぼ同じである.地域のステークホルダーが暴風雪によるリスクを共有する関係を構築できたことが被害を小さくした理由と思われた.そこで.2014年2月の暴風雪時にステークホルダー間のリスク共有が実現していたことを実証するため,中標津町においてヒアリングとアンケート調査を行った.その結果,住民・行政・道路管理者など各々の立場における暴風雪時の危機意識の高まりと行動変容が,2014年2月の暴風雪被害軽減に繋がったことを示すことができた.

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