2022 年 78 巻 2 号 p. I_1159-I_1164
沖積河川における流路変動の主な要因は交互砂州の幾何学形状に由来する偏流と目される.しかし,既往研究の多くは底面の幾何学形状に注目しており,土砂の駆動源である流水の水理との対応関係は知見が不足している.本研究では,交互砂州が流れの偏流を誘発する条件を対象とした,模型実験と実河川数値解析を実施した.その結果,交互砂州上において,底面形状の発達と流れの偏流は対応することを示した.また,底面波高を水深で除した波高水深比が1.5を超えると流路変動の発現可能性が急増し,これを指標として流路変動の発現を推定できることが示唆された.