2018 年 74 巻 5 号 p. I_721-I_726
長方形断面水平水路に設置されたスルースゲート下流側に形成される射流を対象に,乱流境界層が発達中の流れについては,境界層の発達状態と水面形を解析的に求める方法を示した.さらに,エネルギー損失については,エネルギー消散厚を新たに導入し,これと損失水頭との関係を明確にした.これらの解析的手法に対して実験による検証を行い解析結果の妥当性を確かめた.乱流境界層が水面に到達した断面より下流側の流れについては,水面変動の大きさが下流側で一定になる断面までに必要な流下距離が実験的に明らかにされた.その断面より下流側では,流速分布と乱れ強さが開水路等流と同様な大きさになっていることが確認された.