2018 年 74 巻 5 号 p. I_661-I_666
河床低下が進行している河川における堰や床止めなどの段落ち部を有する河川横断構造物では,劣化・損傷が進行し,大きな洪水が流下すると護床工が一気に流失するなどの急激な破壊が危惧される.本研究では,河川横断構造物下流部における局所洗掘現象を含めた破壊現象を解明する前段階として,段落ち部の流況特性である波状跳水・潜り噴流を対象にした固定床条件での鉛直2次元数値計算を行った.数値計算はMPS法を圧力に関して陽的に解いたE-MPS法を用いた.数値計算に対応する水理模型実験を行い,両者の結果を比較することで,E-MPS法による再現性を検証した.その結果,波状跳水の主流水脈やローラーの形成,潜り噴流の主流水脈や渦領域・ローラーの形成などの流況特性を再現できることを示した.