2018 年 74 巻 5 号 p. I_619-I_624
ビデオ画像を用いた非接触流速・流量計測法であるSTIVは,その計測原理のわかりやすさや計測精度の高さなどから流量観測の高度化における一手法として認知され,リアルタイム計測システムも構築されている.しかしながら,河川表面の撮影条件によっては十分な計測精度を保てないケースもあり,計測システムとしての頑健性が求められていた.そこで,本研究では計測誤差を生じさせる要因を分類し,特徴を整理するとともに,時空間画像の解析において各点における輝度の分布を標準化した標準化フィルターと波数・周波数解析に基づく高性能のフィルターを開発した.その結果,従来の解析では異常値を出力していた大半のケースで良好な結果が得られることを示した.特に,後者のフィルターでは時空間画像の質を著しく改善でき,計測の頑健性向上に寄与できることを明らかにした.