洗浄は,橋梁の長寿命化手法として有効な技術であり,米国でも実践されているが,洗浄前における橋梁の付着物の性状,洗浄方法やその効果に関する定量的知見に乏しいのが現状である.そこで,凍結防止剤散布などの多い積雪寒冷地の橋梁において,暴露供試体を用いた汚れや塩分などの付着性状の調査と除去実験,長寿命効果確認試験,および,実橋における洗浄試験を行った.その結果は,特に鋼I桁橋の下フランジ上面に汚れや塩分の付着量が多く,簡易移動吊足場などを用いて洗浄することにより汚れや塩分を除去することができる.また,洗浄後の濁水も洗浄方法の工夫により排水基準を満足することができ,橋梁の長寿命化に効果があることから,日本での橋梁洗浄技術の実用化が十分可能であることを確認した.