土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
地球環境研究論文集 第30巻
流量特性および水文時系列データに基づく水文モデル較正のための数値実験
新井 涼允豊田 康嗣風間 聡
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 78 巻 5 号 p. I_95-I_106

詳細
抄録

 未観測流域におけるハイドログラフ再現手法として,流量特性あるいは水文時系列データを目的変数として水文モデルをキャリブレートする方法がある.水文モデルのキャリブレーションの目的変数として,ハイドログラフを再現可能な流量特性あるいは水文時系列データを探知するために,国内23流域における数値実験を実施した.流量特性としてBaseflow index(BFI),Flashiness index(FI),年流出高(QMEAN),および流況曲線に関する3指標(Q10Q50Q90),水文時系列データとして陸水貯留量偏差(∆TWS)および土壌水分量偏差(∆SM)を採用した.∆TWSは水文モデルのキャリブレーションの目的変数として,ハイドログラフを再現可能な指標であることを見出した.この理由として,∆TWSは水文モデルの全てのパラメータと関連し,かつ時系列データのために誤差の情報量が多いことが挙げられる.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top