2022 年 78 巻 3 号 p. 104-111
下水モニタリングによる感染拡大予測情報の発信サイトが宮城県仙台市にて運用されている.COVID-19での活用を想定し,同情報に基づく感染対策強化意思に影響を与える要因を明らかにするため,仙台市と大阪市の住民を対象にアンケート調査を実施し,平均値の差の検定および共分散構造分析を実施した.
その結果,感染拡大予測情報を提示された集団は概ね調査実施時点での新規感染者数を提示された集団よりもCOVID-19の感染対策強化意思が強いことが明らかとなった.また,情報・対策を信頼している人は社会的規範意識が高く,直接的および間接的に対策強化意思が強いことも明らかになった.特に,回答者自身もしくは同居者が高リスクではない場合,信頼性の高い情報は社会的規範意識を高め,対策強化意思の向上に繋がることが示唆された.