2009 年 65 巻 1 号 p. 76-92
本研究は,コンクリート中の鉄筋に対して電磁誘導加熱を行い,鉄筋からの熱拡散により変動するコンクリート表面温度性状からコンクリート内部の鉄筋腐食性状を非破壊で診断する手法を構築したものである.鉄筋腐食の有無によりコンクリート表面の温度性状は異なり,腐食が存在する場合には腐食生成物の熱的性質により非腐食領域に比べて温度が低くなり,その程度は腐食率の増加に伴って顕著となる.また,鉄筋の腐食率或いは腐食厚に関して逆解析手法による腐食厚同定手法の提案を行い,実験結果との対比からその有用性を示した.