土木学会論文集E
Online ISSN : 1880-6066
ISSN-L : 1880-6066
和文論文
水和収縮率に着目した極初期材齢におけるセメントペーストの体積変化に関する研究
馬場 勇介笠井 哲郎
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 63 巻 2 号 p. 287-299

詳細
抄録

 本研究の目的は,極初期材齢におけるセメントペーストの体積変化に及ぼす自己乾燥の影響を明らかにすることである.そこで,セメントの水和反応とセメント硬化体内部の自己乾燥状態が密接に関連していることに着目し,セメントの水和反応の進行程度を表す指標として水和収縮率を用い,水和収縮率-体積変化および水和収縮率-間隙水圧の相互関係に基づいて,極初期材齢における巨視的な体積変化に及ぼす自己乾燥の影響を定性的に評価した.さらに,収縮低減剤および膨張材を用いた場合の収縮低減機構についても検討を行った.その結果,極初期材齢におけるセメントペーストの体積変化は,水和反応に伴った自己乾燥にも起因しており,低水結合材比の場合ほどその影響が強く表れることが明らかとなった.

著者関連情報
© 2007 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top