2014 年 70 巻 2 号 p. I_283-I_292
河川は古来より私たちに恵みをもたらし,時折猛威をふるってきた.私たちの安心安全で豊かな生活を確保するうえで,河川管理の社会的責務は極めて重大である.河川管理で取り扱われている様々な資料の内,横断図は堤防の現況把握に加え,堤防改修計画や流下能力の把握などでも利用されており,全国の一級河川で定期横断測量を実施して調製されている.実測による横断図調製の代替手法として,航空レーザで取得した点群データの利用が研究されているが,計測誤差や植生のノイズに影響される課題などがある.本研究は,これらの課題を解消し,点群データから高精度な横断図を生成する手法を提案する.