2010 年 66 巻 1 号 p. 66-77
バイオ燃料の需要が拡大し,バイオエタノール由来のガソリン添加物であるETBE(Ethyl Tertiary-Butyl Ether)の使用が増加している.本研究では,飽和領域内のETBEの挙動について室内試験によって研究した.その結果,1)僅か1mg/L程度のETBEが地下水に溶け込んでも,そのエーテル臭により地下水質の低下を招くことが分かった. 2)3種類の土試料によるバッチ試験より,ETBE濃度が500mg/L以下では,吸着等温線は線形吸着等温式で表わされる. 3)豊浦砂とマサ土のカラム試験より,両土試料とも遅延係数は1.0程度,分散長はマサ土が豊浦砂より大きいことが分かった. 4)ETBEの移流分散解析のパラメータを得るための測定方法は,地盤内を流れる地下水と同様の条件を設定できるカラム試験がバッチ試験よりも有効であると判断された.