2010 年 66 巻 1 号 p. 21-30
本研究では,海水環境下における石灰処理土の性状の変化を明らかにすることを目的にして,石灰処理した有明粘土および濃度を変化させた人工海水を使用して,溶出試験と浸漬試験を実施した.その結果,石灰処理土と接触する人工海水の濃度が高いときほど,生石灰の主成分であるCaの溶出量が多くなることを明らかにした.また,人工海水に浸漬した石灰処理土は,浸漬水との接触面から深部に向かい,徐々に軟化することを示した.軟化がみられる範囲では石灰処理土中のCa濃度が著しく低下する.