荒天時の急激な前浜侵食は,海浜の高い位置まで遡上した海水が砂浜中に浸透して地下水位が上昇し,前浜からその海水が浸出するところで発生する.この機構を考慮し,荒天時の海浜侵食防止の方法として,本研究では,砂中に透水性の高い層を埋設し,浜に浸透した海水を速やかに沖に排水して地下水位の上昇および前浜からの海水浸出を抑制するという海浜の安定化工法を開発した.この工法の海浜侵食防止効果を,模型実験,波崎海洋研究施設における現地実験で確認するとともに,本工法によって静穏時には,透水層埋設範囲を中心に堆積が促進されることを確認した.