土木学会論文集
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港湾における生態系の修復技術
徳島県小松島港で行われた実証実験を例に
倉田 健悟上月 康則村上 仁士水谷 雅裕森 正次北野 倫生岩村 俊平
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2004 年 2004 巻 755 号 p. 95-104

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抄録

港湾の人工構造物を含む生態系の問題点を解消するため, 垂直面の多い既存の構造物の形状を変えた実験用の構造物を徳島県小松島港沖洲地区に設置した. 潮間帯や浅い水深の潮下帯に生息する生物群集の働きによって海底へ堆積する有機物の負荷が減少するという仮説を設け, 検証するための実証実験を行った. その結果, 実証構造物の港湾側の海底への沈降物の有機物濃度は低くなっていることが示された. しかしながら, 沈降物を一時的に蓄積する役割の平坦面の水深が異なる Type Aと Type Bでは有機物の蓄積の程度に差異があり, 平坦な面を設計する際にはDL-2mより浅い水深にする必要があると考えられた.

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