土木学会論文集
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震後救命活動に関わる道路システムの機能評価法
鍬田 泰子高田 至郎
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2003 年 2003 巻 731 号 p. 185-193

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抄録

電力や水道の供給システムだけでなく道路・鉄道などの輸送システムも含めたライフラインの地震時物的被災は, 地震発生直後から長期間に, 広範囲に, 直接・間接的に社会システムの機能損傷を引き起こす. 本稿では, 地震直後の負傷者搬送に焦点をあてて, 道路システムの機能損傷が救命活動に与える影響の評価手法を提案する. 評価の指標は, 負傷者搬送の時間遅れから生じる負傷者の生存率の低下による救命人数の損失で表現している. 負傷者搬送過程は家屋の閉じ込めから搬出, 搬送, 治療までの各フェーズについて, システムダイナミクス法を用いてシミュレートしている. 搬送先の病院は, 道路システムの機能損傷の影響と病院の受入能力を同時に考慮して, 病院とその経路を決定している.

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