2002 年 2002 巻 721 号 p. 221-226
著者らは, これまで損傷要因間の関連を階層構造モデルで表し, この階層構造モデルを基に構造物の診断を行う「構造物維持管理支援システム」の開発を行ってきた. このシステムでは, これまでに階層構造モデルの自動描画手法を提案し, FSM法から階層構造モデルの構築と視覚的表示を可能とするプロセスの構築を行ってモデル作成の効率化を図ってきた. しかし, この方法においても, 各要因間の関連性の強さに関して全ケースの入力が必要であるという非効率的な問題を抱えていた. そこで本研究では, 階層構造モデル作成の効率化に対して検討を加えるため, ファジィ理論を導入した構造モデリング手法の1つであるFISM/fuzzyの適用を試み, アルカリ骨材反応による損傷を例にFSM法と比較・検討した.