2002 年 2002 巻 715 号 p. 297-309
本研究では, 塑性指数の違いが平面ひずみ非排水圧縮試験における正規圧密粘性土の分岐点とすべり面予測に及ぼす影響を明らかにするため, 載荷初期から分岐時までの供試体寸法比の変化を考慮した分岐解析を行った. 対象とした地盤材料は, 3種類の低塑性から高塑性にいたる正規圧密粕性土である.
分岐解析結果によれば, 高塑性な土に比較して中間土のような低塑性な土は, 分岐荷重は大きな値を示すが分岐時の軸ひずみ量は小さく表れることが明らかとなった. また, 最大せん断ひずみや応力状態量の分布からすべり面の発生位置, 形態を予測することが可能であり, その破壊形態は, 低塑性な土の場合には脆性的であり, 高塑性の場合にはひずみの局所化からせん断帯, すべり面へと遷移する進行性破壊的な形態となることが示唆された.