2002 年 2002 巻 700 号 p. 195-200
本研究は, 我が国では検討を行っていないPFIによる一般 (地方) 道路事業におけるVFM (Value For Money) の評価方法について考察を行ったものである. VFMの算定において官民のイコールフィッティングの観点からPFI事業者からの税収等を調整することになっているが, PFI事業者の株主への配当に関する直接的, 間接的な税収効果や, PFIにより期待できる早期供用効果については考慮されていない. 本論文では, 配当や早期供用効果についてその税収効果を算入してVFMの評価することによって, 当該事例ではPFI事業における建設費をリスク移転も含めて従来型公共事業に対して4~10%低減できればVFMを達成できることを示した.