2002 年 2002 巻 696 号 p. 125-144
積層ゴム支承は免震デバイスとして広く利用されているものの, その微小振幅載荷および多軸載荷下における復元力特性に関する研究例は極めて少ない. 本研究では, 積層ゴム支承の多軸復元力特性の現象論的モデルを構築している. まず, 積層ゴム支承の3軸載荷実験を行い, 支承の復元力特性を把握した. 次いで水平1方向載荷実験結果を基に Ozdemir の1次元弾塑性モデルを拡張し, ハードニングおよび剛性低下を表現できるようにした水平1方向モデルを提案した. 次に, Ozdemir の3次元弾塑性構成モデルをベースに水平2方向モデルを理論的に導出した. 最後に水平2方向載荷実験結果ならびにハイブリッド実験結果と, 水平2方向モデルによる解析結果とを比較しモデルを検証した.