2001 年 2001 巻 689 号 p. 65-84
橋梁の免震設計において, 免震橋の固有周期と地震動の卓越周期を十分に分離することができない場合には, 免震支承の応答だけでなく橋脚の応答も非線形化し, 両構造要素の非線形地震応答に相互作用が生じる可能性がある. 本研究では, 高減衰積層ゴム支承を設置した鉄筋コンクリート橋脚に対してハイブリッド実験を行い, このような免震支承~橋脚間の非線形地震応答の相互作用に関して, 実験・解析の両面から検討を行った. その結果, 高減衰ゴム支承には降伏後剛性が存在するため, 降伏後には急速な変形の進展が生じにくいが, 橋脚では降伏後剛性が小さいため, いったん降伏するとその後は急速に橋脚の曲げ塑性損傷が増大することが明らかになった.