2001 年 2001 巻 668 号 p. 283-298
仙台市圏に構築・展開されたリアルタイム・オンライン・アレー観測システム Small-Titan の概要とそれにより得られた強震記録の特性が述べられる. 最初に, このシステムの構築にあたっての目的と観測ステーション, 観測センターの内容, システム全体の構成と特徴が紹介される. このシステムの構築以後の2年半の経過の中で約100個の地震記録を得ているが, これらの地震記録のいくつかの特徴が分析される. 特に, 1998年9月15日に発生した仙台直下の地震 (マグニチュードM=5.0) による強震記録にみられる震源, ローカルサイトの影響に関する解析結果が詳細に述べられる. また, このシステムによる記録を利用したサイスミックゾーニングについての考察がなされる.