土木学会論文集
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電気化学的手法によるコンクリートの改質と補修効果に関する実証的研究
北後 征雄芦田 公伸菊田 憲弘宮川 豊章
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2000 年 2000 巻 641 号 p. 101-115

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抄録

本論文は, 塩化物イオンと水酸イオンの比率をパラメータとしてコンクリート中の鉄筋腐食の定量化を目的に実験室レベルで試験を行うとともに, 既設構造物がデサリネーション, 再アルカリ化によってどのように改質されるかについて述べ, 処理後5年間の追跡結果について報告するものである. モルタルにおける実験結果から判断して, pH=12以上であって〔Cl〕/〔OH〕が1.0以上であれば, 鋼材は腐食しないものと考えられる. デサリネーション, 再アルカリ化を実施することによって, 実構造物の鉄筋周辺におけるpH値は12.6~13.2に改質され, 可溶性塩分も0.47~0.56kg/m3に減少した.処理後60ヶ月でも含有塩分量にはほとんど変化は認められず, 鉄筋の背面における顕著なシャドースポットは認められない.

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