2000 年 2000 巻 641 号 p. 1-13
本研究は, 高炉スラグ微粉末を混和した高流動コンクリートが材齢初期に凍結してしまった場合を取り上げ, 初期の凍結による品質低下とその後の各種対策の効果について比較検討を行うものである. 実験の結果, 高炉スラグ微粉末を混和した高流動コンクリートは, 初期に凍結を受けたことにより, 圧縮強度, 耐凍害性ともに低下し, 高炉スラグ微粉末を混和しない普通コンクリートに比べて特に耐凍害性が大きく低下することが確認された. また, 初期に凍結を受けた後, 養生中に水分を供給するなどの対策を行うことにより, 圧縮強度, 耐凍害性ともにある程度改善されるが, 凍結を受けないものの品質までは完全に回復しないことが明らかになった.