土木学会論文集
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強震動の二重スペクトル比から推定した九州南部におけるQS
泉谷 恭男
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2000 年 2000 巻 640 号 p. 225-230

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抄録

九州南部におけるK-NET観測点での強震記録を解析し, S波の減衰に関するQS値について調べた. 2つの地震の際の2つの観測点での記録の二重スペクトル比をとることによって, 震源の影響と観測点での地盤の影響とを取り除いて, 伝播経路の影響だけを孤立させることができる. 本研究で得られたQS値は過去の研究で得られている値の1/2~1/3程度である. QS値が小さく求まった原因としては, 過去の研究に比べて伝播経路がかなり浅いことと, 霧島火山帯の下を通過する経路であることが考えられる. QS値は深さによって, また, 地域によってかなり変化している可能性がある.

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