土木学会論文集
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行動モードを考慮した魚の環境選好性に関する実験的研究
楊 継東関根 雅彦浮田 正夫今井 剛
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1999 年 1999 巻 636 号 p. 35-45

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抄録

実河川にて採捕したオイカワを用いて, 夏冬それぞれ24時間連続実験を行った. その結果, 魚の行動モードが存在することが確認され, 夏においては昼夜それぞれ摂餌モード, 休息モード, 冬においては昼夜とも主に休息モードで過ごすことが明らかになった. この結果に基づき, 流速, 水深, 遮蔽の各環境因子について行動モード毎に選好曲線を作成した. 流速に対する選好曲線は摂餌モード, 休息モード時それぞれ平均値19.01cm/s, 標準偏差12.54及び平均値0cm/s, 標準偏差7.55の正規分布関数で近似した. 水深については, 摂餌に適した水深は約15cmの浅水深であるのに対し, 休息モード時には水深が深いほど選好性が強い. 遮蔽因子については, 摂餌モード時には開水面が選好されるのに対し, 休息モード時には遮蔽を好む傾向が見られた.

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