土木学会論文集
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江戸における城下町中心部の都市設計
阿部 貴弘篠原 修
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1999 年 1999 巻 632 号 p. 63-76

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抄録

水路や街路が複雑に入り組んだ, 日本の独自性が最もよく現れている都市構造を有する江戸. その江戸の都市構造を解明しようと, 都市史・建築史の分野において長い間研究が行われてきた. 本研究では, 街区形態・街路交差角・微地形に着目し, 近代測量図計測による定量的な分析を行うことにより, 既存研究では明らかにされていない. 1. 街道 (主街路) 位置決定の論理, 2. 町割と水系・街道との関係における設計の際の優先度の解明を試みた. 分析の結果, 次のような結論を得た. 1. 城下町の計画・設計を読み解くための分析手法として, 近代測量図計測に基づく街区形態・街路交差角・微地形の定量的分析が有効であることがわかった. 2. 江戸下町中心町人地において, 何が優先されて都市設計が行われたかを明らかにした.

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