1999 年 1999 巻 617 号 p. 163-174
本研究の目的は, 花崗岩と両輝石斑糲岩を対象として, T. B. M. のセンターに位置するローラカッタの掘削土量を向上させるためその円周部の断面を三角形としたローラカッタの掘削土量と摩耗量に及ぼすビット斜角の影響を実験的に究明することである. その結果, 単位仕事量当たりの掘削土量はビット斜角±π/36radにおいて極大値をとりその後漸増すること, ビットの摩耗量は, ビット斜角と転動距離の指数関数で表現され, 斜角0radにおいて極大値をとり, ±π/36radで最小値を示し, その後斜角の増大とともに単調増加することが明らかとなった. 従って, 単位仕事量当たりの掘削土量を最大ならしめ, かつビットの摩耗量を最小ならしめる最適ビット斜角は±π/36radであることが判明した.