土木学会論文集
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岩盤不連続面のすべりを考慮した逆解析手法の開発と現場への適用例
芥川 真一柿原 満武山 真樹桜井 春輔
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1998 年 1998 巻 589 号 p. 335-348

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抄録

本研究では, 不連続性岩盤内に建設される大規模地下空洞の掘削時における情報化施工に用いるための新しい逆解析手法を開発し, これを実際の地下発電所空洞の掘削時に得られた計測データの評価に適用した. 本手法は, これまでの逆解析手法と異なり, 岩盤の不連続面に沿うすべり変位を未知数として, これを計測変位から逆算することにより, 岩盤内に生じているひずみ分布, 各ジョイントセットごとのすべり・開口変位の分布, PS工軸力の変化などを各掘削段階ごとに精度よく, 迅速に求め得ることがわかった. また, 本手法は現実に生じている非線形問題を線形問題に置き換えて逆解析アルゴリズムを構築しているため, データ処理に要する時間は極めて短くてよく, 現場での適用に適している.

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© 社団法人 土木学会
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