1997 年 1997 巻 577 号 p. 231-243
はりのような細長い部材に低次ソリッド要素を用いると, せん断ロッキングによる精度低下や, 単軸応力状態を正確に表現できないために, はり要素による解と同程度の精度の解を得るためには, 多くの要素を必要とする. そこで, 本研究では, せん断ロッキングの緩和と単軸応力状態を表現できるようにして, 低減積分法を用いた低次 Timoshenko はり要素と同程度の要素分割で, 同程度の精度の解が得られ, 断面内の要素分割を細かくすると局部的な変形や応力状態を表現できる, 従来のはり要素とソリッド要素の長所をもった新しい低次ソリッド要素を開発した. この要素は, ゼロエネルギーモードを含まず, ポアソン比が1/2となる非圧縮性材料の解析で問題になる体積ロッキングも緩和できる.