1997 年 1997 巻 564 号 p. 177-187
本研究では, コンクリートの塩化物イオン透過性に及ぼす配合, 養生および環境の影響を明らかにするために, 異なる環境下に暴露したコンクリートブロックから採取したコアの塩化物イオン透過量および比抵抗値の測定を行った. その結果, 鉱物質混和材を使用したコンクリートでは環境条件に関わらず長期にわたり良好な塩分浸透の抑制効果が期待できること, 及び水中養生が継続されたコンクリートと異なり長期間にわたり乾燥の影響を受けたコンクリートでは塩化物イオン透過量が暴露期間の経過とともに増加することが明らかになった. また, 急速塩化物イオン透過性試験 (AASHTO T 277-83) における塩化物イオン透過量と塩化物イオンの浸透深さとの間には良好な関係が存在することが確認された.