1996 年 1996 巻 554 号 p. 111-118
本文は, 高有機質土の基本的な圧密特性の一端を, これまで殆ど注目されることの無かった圧密中の沈下速度の時間的変化に着目して明らかにしたものである. 検討の結果, 圧密中の沈下速度と時間の関係は両対数紙上で折れ曲がった一本の直線で近似できること, その直線勾配を理論値と比較したところ, 実験に用いた高有機質土の場合, 沈下のどの部分も Terzaghi 理論では説明できないこと, さらに, 圧密後半の沈下が log tに比例するか双曲線的に推移するかは, ある沈下式中の単なる係数の違いであること, また, その係数が-1より小さい場合, 二次圧密係数は時間とともに徐々に減少し, 沈下は最終的に有限の値に収束すること, などが示されている.