1996 年 1996 巻 538 号 p. 115-128
本研究では, マイクロプレーンモデルのうち Hasegawa モデルと Prat モデルに関する基本的な定式化の相違, すなわちマイクロプレーンの垂直-せん断成分による定式化 (N-S定式化) と巨視体積-偏差-せん断成分による定式化 (V-D-S定式化) の相違が予測精度に及ぼす影響を広範な応力状態に関して統一的に検討した. その結果, N-S定式化モデルは, 2軸応力状態や低拘束圧状態に関して実用上十分な予測精度を有するものであるが, 高拘束圧下における耐力増加やぜい性-塑性遷移挙動を良好に表現することができない, また, V-D-S定式化モデルは, 2軸応力状態, 拘束応力状態のみならず1軸引張軟化応答においても問題がある, などが明らかになった.