1995 年 1995 巻 525 号 p. 275-285
1985年ミチョアカン地震の際, メキシコ市でシールドトンネル軸方向の引張およびねじり変形に起因する被害が発生した. このような軸方向変形に対しては, シールドトンネルの覆工体とその外周の地盤の間に免震層を形成し免震構造とした場合, 地震時に覆工体に生じるひずみを大きく軽減させることができる. 本論文では, シールドトンネルの免震構造の免震効果を評価する方法として, 軸対称有限要素を用いた簡易モデルによる数値解析法を提案するとともに, パラメトリック・スタディーによりひずみの低下率によって免震効果を定量的に示している. また静的安定解析により, 0.5に近いボアソン比を有する免震層とすることが, 地表面沈下を抑制する意味から重要であることを示している.