日本臨床麻酔学会誌
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硬膜外麻酔に伴う shivering 発生の検討
前投薬ハイドロキシジンの影響
森本 勝桐山 昌子久世 照五伊藤 祐輔
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1988 年 8 巻 3 号 p. 307-311

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抄録

硬膜外麻酔中の患者に時々 shivering がみられる. その原因は脊椎管内に温度センサーがあり, 注入された溶液により冷却されるためと言われている. そこでわれわれは硬膜外腔への局麻薬注入に先立って冷却 (15例), 室温 (15例), 加温 (15例) の生理食塩水を硬膜外腔へ注入し shivering を観察した. また, 前投薬のハイドロキシジンが shivering の発生にどのように影響するかもみた. その結果, 生理食塩水の注入でも平均37.8%の shivering 発生がみられた. 注入液の温度差による shivering の発生頻度は統計上有意な差がみられなかったが, 低温ほど発生しやすい傾向が認められた. また, 前投薬のハイドロキシジンは shivering の発生を有意に抑制した.

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