日本臨床麻酔学会誌
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ブロマゼパム坐剤の麻酔前投薬が血中および尿中カテコラミン濃度に及ぼす影響
三好 由紀子萬屋 勇治柴田 治福崎 誠長谷場 純敬後藤 裕
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1988 年 8 巻 3 号 p. 294-299

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抄録

ブロマゼパム坐剤の麻酔前投薬としての効果を客観的に評価するために, 血漿および尿中カテコラミン (CA) 濃度を測定し, 麻酔前投薬非投与群 (C群), ジアゼパム前投薬群 (D群) と比較検討した. ブロマゼパム前投薬群 (B群) は, 3mgを手術前夜に投与し, D群は, 麻酔導入約1時間前に10mgを筋注した. 血漿CA濃度は, エピネフリンのみD群, B群で有意な低下傾向にあり, その低下度は, D群よりB群のほうが大きかった. 尿中CA濃度もB群, D群は, C群に比べ優位に低下していた. 以上より, ブロマゼパム坐剤の手術前夜の投与は, ジアゼパム筋注と同程度かそれ以上に麻酔導入前の副腎-交感神経系緊張を抑制すると考えられた.

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