日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
分離換気困難が予想された肺部分切除術において,閉鎖式ソフトリザーバーを用いたV-A ECMOを使用した1例
藤井 文中川 裕一大津 聡太北川 愛子原 祐子
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2020 年 40 巻 5 号 p. 464-468

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抄録

右肺上葉切除と術後気管支断端瘻の既往があり気管が偏位し残存右肺が荒蕪肺となった69歳男性の胸腔鏡下左上葉肺部分切除が予定された.ダブルルーメンチューブや気管支ブロッカーによる分離換気が困難と考え,大腿動脈送血のPeripheral V-A ECMOによる呼吸補助を計画した.酸素化されない血液が自己心拍出により心臓や脳を灌流するdifferential hypoxiaを危惧し,回路に閉鎖式ソフトリザーバーを設置し貯血することで自己心拍出量を減らし酸素化された血液が逆行性に灌流するようにした.上肢や脳の酸素化を確認するため右手SpO2,右rSO2をモニタリングした.手術は完遂し良好な術後経過をたどることができた.

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© 2020 日本臨床麻酔学会
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