2020 年 40 巻 3 号 p. 227-232
気管癌に対する気管分岐部再建術はまれな術式であるが,呼吸管理が重要となる.本症例では体外式心肺補助(ECLHA)の使用の有無,手術体位,チューブ交換のタイミングやそのチューブの選択を事前に術者と相談し,手術麻酔計画を立てることでECLHAの使用なく手術を終えることができた.しかし,用意した気管チューブの長さが短く予定した分離肺換気が施行できず,事前の麻酔計画の変更を余儀なくされる場面もあった.本術式では起こりうるさまざまな場面を想定し,準備する必要がある.