2016 年 36 巻 1 号 p. 30-34
周術期の効率化推進の中で安全対策が損なわれた場合には,一般病棟での術後患者の重篤な有害事象(serious adverse events:SAEs)は増えかねない.このような現状において心停止前の予兆を捉えるrapid response system(RRS)は術後SAEsに対する安全網となりうる.名古屋市立大学病院では術後患者に対するRRSが一定の効果を上げている一方で,術後患者のICU予定外入室の69%はRRSを介していない.RRSの対象としての術後患者の特性について検討し,RRSのあり方を考察した.