日本臨床麻酔学会誌
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短報
デスフルラン・セボフルラン麻酔からの覚醒時間─レミフェンタニル持続投与下でもデスフルランからの覚醒は早いのか?─
小林 俊司丸山 直子石井 菜々子石山 諭鶴野 広大森本 正昭
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2016 年 36 巻 2 号 p. 163-167

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抄録

デスフルランはセボフルランより覚醒は早いが,覚醒時咳嗽の頻度が高い.レミフェンタニル持続投与はそれを減らすため,覚醒時に併用することがある.血中レミフェンタニル濃度の上昇は,セボフルランのOAA/Sスコアを低下させるが,デスフルランとレミフェンタニルにも,同様の関係があるかは知られていない.したがってレミフェンタニル持続投与下でもデスフルランからの覚醒がセボフルランより早いかは未知であり,それを検証した.予定手術患者80名をデスフルラン群(DES),セボフルラン群(SEV)に分け,覚醒抜管時レミフェンタニル0.02μg/kg/minで,覚醒時間,抜管時間を比較した.覚醒時間(秒)はDES 266±105,SEV 346±157,抜管時間(秒)はDES 331±108,SEV 411±154(Mean±SD)であり,DESで有意に短かった(P<0.01).

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© 2016 日本臨床麻酔学会
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