日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
喉頭微細術後に頚部皮下気腫,縦隔気腫を発症した1症例
大下 修弘堤 保夫高田 香野村 佳世大下 修造田中 克哉
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2011 年 31 巻 5 号 p. 869-872

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抄録

  全身麻酔で管理した喉頭微細術の翌日に頚部皮下気腫と縦隔気腫が明らかになった症例を経験した.全身麻酔導入後の血行動態は安定していたが,耳鼻科医による複数回の直達喉頭鏡挿入操作に伴って持続する高血圧と頻脈が出現し,麻酔薬のみでの制御が困難となった.ランジオロールとニカルジピンの持続投与開始後も高血圧と頻脈は持続したが,直達喉頭鏡の抜去により血行動態は正常範囲まで低下した.手術翌日より頚部皮下気腫と縦隔気腫の徴候が顕著となり保存的治療にて軽快した.術中の異常高血圧や頻脈の原因として,発症早期の皮下気腫と縦隔気腫の関与が示唆された.

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© 2011 日本臨床麻酔学会
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