日本臨床麻酔学会誌
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原著論文
リドカイン混合によるプロポフォールの性状変化の検討
櫻井 行一舘岡 一芳河本 瑞穂安田 茂高畑 治岩崎 寛
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2004 年 24 巻 5 号 p. 177-181

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抄録

プロポフォールを用いた麻酔導入時の問題点の一つとして, 血管痛があげられる. われわれは, 血管痛軽減対策の一つと考えられているプロポフォール・リドカインの混合投与法に関して, 両薬剤の混合による経時的な薬剤性状の変化を肉眼的観察により検討した. リドカイン混合後の時間経過に伴って, 油滴・油層がプロポフォール中に観察された. リドカイン混合により, プロポフォールのエマルジョン構造が破壊される危険性があることが判明した. リドカイン混合による血管痛対策では, プロポフォールエマルジョンに異常を認める場合があり, 危険性があることを認識する必要がある.

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© 2004 日本臨床麻酔学会
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