日本臨床麻酔学会誌
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術中大量出血症例の輸液輸血管理
井上 義崇川崎 貴士蒲地 正幸佐多 竹良
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キーワード: 大量出血, 血液製剤, 輸血
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2000 年 20 巻 6 号 p. 378-384

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抄録

術中出血量が循環血液量相当以上であった成人16症例について,術中の血液製剤の使い方を中心とした輸液輸血管理状況と術中術後の合併症を調査した.術前合併症がない患者でも,ヘマトクリット20%以下では心筋虚血を起こす可能性があった.また,血液製剤使用開始の目安はMAPで1,500ml,FFPで4,000ml,血小板で8,000mlの出血であった.さらに,循環血液量維持のために晶質液で対応できるのは1,500mlまでの出血であり,以降の出血に対して,血液製剤使用量の約50%はアルブミン製剤が用いられていた.大量出血時には,酸素運搬能と血液凝固能の保持に加えて膠質浸透圧を維持する対策も必要であることが確認された.

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