日本臨床麻酔学会誌
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術中,気管支狭窄が増悪したPulmonary Artery Slingの1例
柏木 政憲金子 武彦森崎 浩落合 亮一武田 純三福島 和昭
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1995 年 15 巻 6 号 p. 503-505

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抄録

Pulmonary artery slingに,両側の主気管支の狭窄を合併している9ヵ月の男児の根治術の麻酔を経験した.人工心肺から離脱した直後に換気が著しく困難になった.原因は,手術操作に反応して気管支の器質的狭窄が増悪したためと考えられた.適正な酸素化を保つため,人工心肺離脱後3時間にわたり,60cmH2Oの最高気道内圧と10cmH2Oの終末呼気陽圧による換気が必要であった.気道狭窄を合併するpulmonary artery slingの患者では,術中に気道狭窄の増悪を起こす危険が高いので注意が必要である.

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