生物物理化学
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酵素結合性免疫 glob 例における血中自己抗体の検出
戸沢 辰雄二見 多美子柴田 宏
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1985 年 29 巻 6 号 p. 391-395

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抄録

酵素結合性免疫 glob (E-Igs) と流血性自己抗体の関連性を知ることを目的とした.
E-Igs陽性潰瘍性大腸炎 (UC) 22例・E-Igs陽性非自己免疫疾患75例・E-Igs陽性健常者10例とE-Igs陰性UC28例を対象に8種の自己抗体(RA, LE, ANA, DNA, ATG, AMC, AMA, ASMA) を検索した. 一つでも自己抗体の検出された率はE-Igs陽性UC例が68%, 非自己免疫疾患例の60%, 健常者が30%, E-Igs陰性UC例が46%であった. E-Igs別の自己抗体検出率は, CK-Igs例が67%, Amylase-Igs例が48%, AP-Igs例が59%, LD-Igs例が66%であった. E-Igs陰性UC例との比較からCK-Igs陽性UC例のRA, AP-Igs陽性UC例のAMA, LD-Igs陽性UC例のANAの検出率は有意に高率であった. (P<0.05)
今回の成績から潰瘍性大腸炎患者においてはE-Igsと自己抗体の関連性が示唆された.

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