日本補綴歯科学会雑誌
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デンチャープラークとオーラルヘルスケア
浜田 泰三二川 浩樹
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2001 年 45 巻 5 号 p. 561-581

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抄録

顎口腔が全身の一部として, 全身とのかかわりがあるにもかかわらず, 体の一部分として取り扱われてきた傾向があるが, 高齢社会のなかで寝たきり患者などから否応なしに口腔が全身の健康と深い関係がある実態をみせつけられた. 欧米ではすでに100年以上も前から義歯の汚れを微生物学的視点からとらえていたが, わが国では20年くらいの歴史しかない. 本稿ではまず (1) デンチャープラークの微生物について解説した. 次いで (2) デンチャープラークの病原性について口腔への影響と全身への影響について言及した. さらに (3) オーラルヘルスケアの具体的方法として機械的な清掃法, 義歯洗浄剤さらには抗真菌剤や銀系無機抗菌剤の応用を紹介した.
オーラルヘルスケアにあたり, いかに口腔内の汚染レベルを把握するかはとても重要であり, 現在応用できるカリエスリスク検査と歯肉溝滲出液検査について解説し, 特にカンジダ検査について詳しく述べた. 局所ならびに全身状態の把握や高齢者に対して特に配慮すべき事柄についても言及した.

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