2013 年 5 巻 1 号 p. 96-99
症例の概要:患者は77歳女性.入れ歯を入れた状態での,見た目が不自然で,噛みにくい,話しにくいとの主訴で来院した.天然歯とインプラントと欠損部が混在した歯列に装着された部分床義歯に起因する審美,発音,咀嚼障害の診断の下,上下顎にコーヌスクローネテレスコープ義歯を製作した.
考察:コーヌスクローネテレスコープ義歯装着により,咬合関係が改善され,機能時における義歯の安定が得られた.また形態が単純化されることにより清掃性が向上し,審美性,発音機能の回復がなされた.
結論:天然歯とインプラントと欠損部が混在する歯列に対しコーヌスクローネテレスコープ義歯の適用により患者の口腔関連quality of lifeの向上に寄与した.