2012 年 4 巻 3 号 p. 332-335
症例の概要:患者は63歳の女性.金属アレルギーに対する不安を抱いており,審美的要求を持っていたため,歯根破折が原因で抜歯に至った小臼歯に対し,ジルコニアフレームを用いたオールセラミックスブリッジにより修復を行なった.
考察:ジルコニアフレームは強度に優れているため,咬合調整前の接着操作が必ずしも必要ではなく,仮着も可能であり,補綴物合着前に仮着期間を設けて咬合状態の確認を行なったうえで最終補綴を行なうことができた.補綴後5年経過したが,機能的,審美的に良好に経過している.
結論:金属アレルギーに対する不安および審美的要求を持つ患者に対し,ジルコニアフレームを応用したメタルフリー修復を行なうことで良好な治療結果を得た.